はじめに
中古車を売却する際、「いつ売るか」は査定額を大きく左右する重要なポイントです。なかでもよく耳にするのが、「決算期直前に売ると高くなる」という話。実際のところ、このタイミングは本当に有利なのでしょうか。
ここでは、決算期と中古車市場の関係を整理しながら、売却タイミングを見極めるための考え方を解説します。

決算期とは?中古車市場との関係
自動車業界における決算期は、主に3月(年度末)と9月(中間決算)です。とくに3月は1年の総決算にあたるため、多くの販売店や買取業者が売上や取引台数の最終調整を行います。
この時期は、新車・中古車を問わず販売活動が活発になり、同時に「売れる車」「在庫として確保したい車」を積極的に仕入れようとする動きが強まります。その結果、中古車の買取価格が通常よりも上振れしやすい状況が生まれるのです。
なぜ「決算期直前」が狙い目と言われるのか
決算期のなかでも、特に注目されるのが決算直前の1〜2週間です。このタイミングでは、目標達成まであと少しという業者も多く、以下のような特徴が見られます。
- 査定額が通常よりも強気になりやすい
- 価格交渉に応じてもらいやすい
- 即決を条件に上乗せされるケースがある
業者側にとっては、多少利益を圧縮してでも取引件数を増やしたい時期であるため、売り手にとって有利な交渉環境が整いやすいのが特徴です。
決算期でも高く売れないケースとは
一方で、「決算期直前なら必ず高く売れる」と考えるのは危険です。買取価格のベースとなるのは、あくまで車両の市場価値です。
たとえば、
- 需要が少ない車種
- 走行距離が極端に多い車
- 修復歴がある車
こうした車両は、決算期であっても相場以上の価格が付きにくい傾向があります。決算期はあくまで「価格が動きやすい時期」であり、すべての車が高値になるわけではありません。
決算期売却で見落としやすい注意点
決算期直前は有利に売却できる可能性がある一方で、事前に理解しておきたい注意点も存在します。
まず、この時期は査定依頼が集中しやすく、希望する日時で査定を受けられないケースが少なくありません。その結果、想定より売却時期が後ろ倒しになってしまうこともあります。
また、3月中の売却を目指す場合は、自動車税の課税タイミングにも注意が必要です。手続きが4月以降にずれ込むと、1年分の自動車税を負担しなければならない可能性があります。
決算期を意識して売却するのであれば、余裕を持ったスケジュールで早めに行動することが重要です。
決算期以外にも狙える売却タイミング
高値が期待できるタイミングは、決算期だけではありません。車種や特性によっては、季節需要の影響を強く受けるケースもあります。
- SUV・4WD:降雪シーズン前
- オープンカー:春〜初夏
- 低燃費車:ガソリン価格高騰時
このように、「いつ需要が高まるか」という視点で売却時期を考えることも、有効な戦略の一つです。
まとめ
決算期直前は、中古車の需要が高まりやすく、売却価格が上向く可能性のある時期です。ただし、その効果は車種や状態、市場ニーズによって左右され、必ず高値が付くとは限りません。タイミングだけに頼らず、相場の把握や複数業者の比較を行うことで、決算期のメリットをより確実に活かすことができます。
売却時期を戦略的に考えることが、納得のいく取引への近道となるでしょう。
