はじめに
車を売るとき、少しでも高く手放せたら…と思うのはごく自然なことです。しかし、買取査定を受ける際、なんとなく最初に声をかけた業者にそのまま売却してしまうという人も、少なくありません。実はそれは、あとになって「もう少し比較しておけばよかった」と後悔してしまう原因にもなり得るのです。
同じ車でも、業者によって提示される査定額には大きな差が生まれることがあります。大切な車を納得のいく形で売却するためには、複数の業者から査定を受けて、きちんと比較することが非常に重要です。

なぜ査定額が業者ごとに違うのか?
中古車の買取価格は、年式や走行距離だけで決まるわけではありません。業者ごとの得意分野、販路、在庫状況など、さまざまな事情が関係しています。
例えば、ある業者は軽自動車の流通に強く、他社より高く買い取ってくれることがあります。一方で別の業者は、海外輸出のルートを持っており、国内ではあまり人気のない車種にも高値をつける可能性があります。
また、ちょうどその時期に「同じ車種の在庫が足りない」業者がいれば、多少状態に難があっても積極的に仕入れようとするかもしれません。逆に、在庫が豊富な業者は、相場よりやや低めの金額を提示することもあるでしょう。
このように、業者によって査定額に差が出るのは当然のことなのです。
比較することで見えてくる“本当の価値”
1社だけに査定を依頼した場合、それが妥当な金額かどうかを判断するのは難しいものです。しかし、2社・3社と査定を受けていけば、おおよその相場が見えてきます。
たとえば、次のような結果だったとしましょう。
- A社:65万円
- B社:68万円
- C社:74万円
このとき、A社だけに査定を依頼していたら、結果として9万円の差を見逃していたことになります。中古車買取において、この“情報の差”が、そのまま金額の差になるケースは珍しくありません。
大切なのは「複数の視点で見てもらうこと」。それが、愛車の価値をより正しく評価してもらうための第一歩です。
手間をかけずに比較する方法も
複数の業者に査定を依頼するのは、確かに少し手間がかかります。1社ずつ連絡を取り、車両情報を伝え、日時を調整して…という作業が必要になるからです。
最近では、その負担を軽減するためのサービスも増えています。車の情報を一度入力するだけで、複数業者とやり取りができる仕組みを提供しているケースもあり、活用することで効率的に比較が可能になります。
ただし、そういった仕組みに頼るかどうかは、ご自身のスタイルに合わせて決めてよいでしょう。直接やり取りをしながら信頼できる業者を見極めたいという方は、買取店を自分で探して査定を依頼するのも一つの方法です。
査定額以外に注目したいポイント
金額はもちろん大切ですが、査定時の対応も見逃せません。たとえば、以下のような点も業者選びの判断材料になります。
- 説明が丁寧でわかりやすいか
- 査定の根拠をしっかり伝えてくれるか
- 売却を急かすような態度ではないか
- 契約内容について透明性があるか
買取のやり取りにおいて、金額だけでなく「安心して任せられるかどうか」はとても大事です。高値を提示されたとしても、契約内容が曖昧だったり、あとから条件が変わったりするような対応には注意が必要です。
あわてず、納得してから決断を
査定を受けたからといって、必ずその場で売却を決める必要はありません。複数の査定額を見比べた上で、「今売るのがベストか」「この価格で手放してもいいか」をじっくり検討することも大切です。
ときには、「思ったより値がつかなかったので、もう少し乗る」という判断も正解かもしれません。選択肢を持っておくことで、納得できる形で次の一歩を踏み出すことができます。
まとめ
中古車を手放すというのは、多くの人にとってそう頻繁にあることではありません。だからこそ、「つい、なんとなく」で売却を決めてしまわず、複数の査定を通じて冷静に判断することが大切です。
1社だけの査定では見えてこない「愛車の本当の価値」。少し手間をかけるだけで、後悔のない選択につながります。大切な車を納得して手放すために、まずは複数の業者に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。
