はじめに
春の訪れは、寒さが和らぎ、新たな季節への切り替えを感じさせてくれます。中古車にとっても、この季節の変わり目は重要なタイミング。冬の厳しい環境で受けたダメージをリセットし、春特有の気温や環境に適した準備をすることで、愛車を快適かつ安全に保つことができます。
このコラムでは、春ならではのポイントを押さえた中古車メンテナンスについてご紹介します。
タイヤ関連のチェック
冬の間に装着していたスタッドレスタイヤは、路面の凍結がなくなると必要ありません。特に中古車では、タイヤの摩耗や劣化が進んでいる場合が多いため、しっかり確認しましょう。
- 溝の深さの確認: 冬季の摩耗により溝が浅くなっていないか確認。3mm以下なら交換が安全。
- ゴムの劣化チェック: 気温上昇で硬化・ひび割れが目立つ場合は交換を。
- 空気圧の調整: 冬と春では空気圧の変化が大きいため、適正値への調整が必要。
- アライメント調整: 冬道で発生しやすい段差や凍結路面の影響で、ホイールアライメントが狂っている可能性があるため、真っ直ぐ走るよう調整しましょう。
バッテリーの状態確認
中古車のバッテリーは使用年数が長いため、春の一日の大きい気温差で一気に性能低下が表れることもあります。
- 製造年月の確認: 3年以上経過している場合は交換を視野に。
- 電圧の測定: 春の始まりにチェックし、12.5V以下なら交換を推奨。
- 端子の清掃: 冬に付着したサビや汚れを取り除き、通電性を確保しましょう。
エンジン関連のチェック
春は気温が上がり、エンジンの稼働状況が冬とは変わります。中古車のエンジンは摩耗や内部汚れが蓄積している場合が多く、このタイミングでしっかり点検することが大切です。エンジンを快調に保つため、エンジンオイルと冷却水の両方をまとめてチェックしましょう。
- エンジンオイルの交換: 冬場の走行でオイルが劣化している可能性が高いため、春先に新しいオイルへ交換。交換履歴が不明な場合は特に注意し、春夏向きの粘度のオイルを選択しましょう。
- オイルフィルターの交換: エンジン内部の汚れを確実に除去し、長寿命化を図るためフィルターも同時交換を推奨します。
- 冷却水(クーラント)の確認: 気温が上昇する春は、エンジンの冷却性能が重要になります。冷却水が汚れている、変色している場合は交換を。液量が適正か、リザーブタンクも忘れずチェックしましょう。
ワイパーとウィンドウケア
春は花粉や黄砂が多く、視界不良の原因に。中古車のワイパーゴムは劣化しやすいため、このタイミングで新調すると快適です。
- ワイパーブレードの交換: 筋が残る場合やゴムが硬くなっていれば交換。
- ウォッシャー液補充: 花粉・黄砂対策のクリーナー入りを選択。
- ガラスの撥水コート: 春の急な雨にも備えて施工しておくと安心。
下回りの洗浄と防錆対策
冬の間に撒かれた融雪剤(塩分)がボディ下部に残っていると、春以降に錆が進行しやすくなります。特に中古車は錆が進んでいる場合があるため、春のうちにしっかりケアしましょう。
- 高圧洗浄で融雪剤を除去: 高圧洗浄機を使って車体の下回りを入念に洗浄し、冬に蓄積した融雪剤を完全に除去しましょう。泥や塩分が残ったままだと錆びやすくなるため、隅々まできれいにすることが重要です。
- 防錆コーティングの施工: フレームやサスペンション周りなど、錆びやすい部分にしっかりとコーティングを施すことで、錆の発生や進行を防ぐことができます。
エアコンの点検
春はエアコンの使用が増え始める時期。中古車のエアコンは長年の使用で効きが落ちている場合も多いので、夏本番を迎える前に確認を。
- エアフィルター交換: ホコリや花粉をしっかりキャッチする新品フィルターに。
- 冷媒ガスの確認: 効きが弱い場合は漏れチェックと補充をしましょう。
ブレーキのチェック
春の行楽シーズンに向けて、ブレーキのコンディションを確認しておくと安心。
- パッドの厚さ確認: 3mm以下なら交換を推奨。
- ブレーキフルードの状態確認: 汚れや量不足がないか確認し、必要に応じて交換を。
- 異音や引きずりの確認: 春先の点検時に違和感があれば早めに修理。
まとめ
春は気温や環境が大きく変化する季節。中古車は経年による劣化が進んでいるため、この季節のタイミングでしっかりメンテナンスを行いましょう。
特に冬のダメージをリセットし、春ならではの花粉や黄砂、気温変化に対応した対策を取ることで、中古車でもトラブルを防ぎ、長く愛車を楽しめます。春の陽気とともに、愛車もリフレッシュして新たな季節を迎えましょう!